ただいま。

ガチャ…キィ……


私の目の前でゆっくり扉が開いた。


え?亮ちゃん…?


「…どーした?」


嘘…出て来てくれた……


亮ちゃん、あのねっ


そう言おうとしたけど、


「…ぅ…っく…」

声にならなくて、涙だけがパタパタと溢れた。

「なんだよ?また泣き虫くるみかよ。」

「違う…もん。隣…私の家のドア…」

途切れ途切れの私の言葉でも亮ちゃんは何かを察したらしく、裸足でスニーカーを履いて、玄関を出た。

私の家のドアに数歩、歩み寄り、鍵穴を見るとゆっくりと私を横から抱き寄せた。


「心配すんな…俺がいる。」

コクリと頷く。

大丈夫。
亮ちゃんが居るだけで、安心できるから。