亮ちゃんとの接点はないに等しかった。


時々、アパートの階段すれ違う。

だけど、お互い、おはようもお疲れも言えなかった。


なんだか話すきっかけを無くしていた。

分かってる、先に逃げたのは私だ。

私が勝手に怒って拗ねてるだけ、とも言えなくもない。



「お花見か…」


私はケータイで亮ちゃんのアドレスを呼び出した。


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久しぶり
今度のお花見、行く?

あの時、ごめん


くるみ

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本当はごめん、なんてちっとも思ってない。
だけど、仲直りするきっかけは今しかないと思った。