一年が過ぎた頃。


「ね、今度井上さんの所とお花見行くの。くるみも来なさいね。」


お母さんが弾んだ声で言った。


井上さん…
亮ちゃんも来るのかな。

ふんふんふふ。
台所から珍しく鼻歌が聞こえてくる。

私はソファにケータイを片手に寝転んだ。

お母さん、楽しみにしてるし、行くしかないよね…



亮ちゃんとは入学式の日から話してない。


私はバスケ部に入って、それなりに数学も頑張っていた。

担任の観月先生は優しかった。



バスケ部と吹奏楽部。
一年と二年。