ただいま。

「男子と言えばさ…絢香の隣の席の人やばくない?」

「剛田清って言うらしい。なんか、転校してきたらしいよ?…やだなぁ。」

「ちょっと怖いよね。」

ヒソヒソと話す。
でも案外仲良くなれるのかも…とか思う。

だって昔の…今ではほとんど覚えてないけど、亮ちゃんは怖かった。


いつからだろ、亮ちゃんなんて呼ぶようになったのは…。


「新入生!今から入場だから静かに。」


はーい、と小声で言うと絢香とその声は被って、二人でクスクスと笑った。

ぞろぞろ入ると吹奏楽部の亮ちゃんがトランペットで入場の音楽を吹いているのが目に入った。


ねぇ、亮ちゃん。
ちょっと怖い人もいるけど、楽しい所なのかな中学って。


亮ちゃんに心の中で聞いてみると一瞬だけ目が会った気がして、心臓が飛び跳ねた。