ただいま。

確認しようと黒板に目を向けると…


「なんだー、桃井じゃん。」


間の抜けたような声がする。


「人のこと見て、なんだーはないでしょう。」


振り返らなくても声の主はわかっている。

「よっこらせ、と。」

隣に腰掛けたのは小学校の頃、そこそこ仲の良かった氷室。


「またあんたとよろしく、かよ。」

「私だって同んなじ気持ちよ。」


べーっと舌を出す。
私たちはいつもこんな感じだ。

そうこうしているうちに続々とクラスメイトが入って来た。