あたしが 愛した黒い虎




クラスに気まずい空気が流れる


もう、帰ってもいいかしら?


この教室から背中をむけ、ドアに手が触れた瞬間…


「な…によ!なによなによなによ!
言いたい放題言いやがって!」


真ん中の金髪のギャルが血走った目で右手を振りかざした


他のクラスからもギャルの声でなんだなんだとあたしの周りに集まるし…


こっちが なによって感じよ
本当にいい加減にして欲しいわ。



小さくため息をはいてから
ギャルの右手をじーっとみていた


『…殴らないの?』

いつまでたっても 右手を降ろさないギャルに問いかける。