晴れた日に…

エーベルトって、これ、国会議員じゃなかったっけ?

彼の問いに私は黙ってうなづいた。

かわいそうに。怖い思いしたよな。

彼はしゃがみ込み、クラッチバッグと飛び出した中身を拾った。

適当に入れるよ。

適当といいながら、気を使って入れてくれている。

それを、受け取る私の手は震えていた。
いくら、エーベルトが悪いとはいえ、人に大怪我をさせてしまった。

動揺がないとは言えない。

大丈夫だよ。あなたは悪くない。
被害者だよ。大丈夫。

子供をなだめるような優しい声に私はつい、彼にもたれかかってしまった。
彼は優しく背中を抱き寄せる。

いい匂いがする。
香水ではない、シャンプーとか自然な、香り。