晴れた日に…

いつものようにドイツ人の若いモデルを連れてきた。

でも、悠弥を見て、顔色を変えた。

だれのお連れかしら?

夫人は私に一瞬目線をやってから悠弥に声を掛けた。

guten Tag
初めまして。生月悠弥です。
紗江さんに連れて来ていただきました。

悠弥の差し出した握手の手を無視し、
夫人は自分の手の甲を悠弥に差し出した。

悠弥は一瞬、驚いた顔をしたがすぐにその手に口付けた。

夫人、僕は日本人です。実は握手の文化もキスの文化も知りません。僕の挨拶は正解ですか?

正解よ。
サエとどこで知り合ったの?
サエ、なんのパーティー?

夫人はとても悔しそうだ。


夫人、前回のパーティーです。
エーベルトさんが怪我をされた…
お見えになってたのですよ。


あらそう。
ユーヤみたいな子がいたらすぐに気付きそうだけど…


すいません、パーティーは苦手で…
乾杯が済んでからはずっとバーカウンターで飲んでたもので…

あら、いやね。パーティーが苦手だなんて。
ご冗談でしょ?イルマーレの家族のかたが…


イルマーレは祖母です。僕は、サッカー選手の息子ですから…


イルマーレの家族?
サッカー選手の息子?

何だかわからない話が出てきた。
でも、夫人は私より悠弥の事を知っているようだ。


素敵なゲストもいて、今日のお茶会は楽しくなりそうね。