晴れた日に…

サエ!すごい子連れてきたみたいね。

リズが、話しかけてきた。

リズ。実は私、サッカー全然知らなくて。
たまたま知り合った子なの。ゲルゼンキルヘンのサッカーチームの選手みたいだけど。

そう。あんな田舎の?あんなかわいい子がいるのね。意外。


そうね、意外。


サエ、本当に、かわいいわね。
色が白くて、真っ黒いまっすぐな髪の毛。
綺麗なドイツ語どこでら習ったのかしら?
服も高そうだし。

そうね。


リズが悠弥に、興味を持ったことは意外だった。ほかのメンバーも悠弥を、取り囲み、談笑してる。


不思議。


サロンはいつもギスギスした雰囲気があるのに今日は悠弥を中心に和やかに進んでいた。



それにしても、エーベルト夫人遅いわね…

ご主人のことでいろいろ忙しいのかしら。


来ないかもね。


エーベルトの妻が来ない。
私は落胆した。


いつもならいない方が嬉しいのだけど。
今日は違う。


悠弥。


私は悠弥に目をやった。


あなたを見せびらかしに来たのに。
エーベルトを、見返すチャンスなのに。


悠弥をじっと見つめていると、
目が合った。
そして、こちらに来た。


サエさん、みんなケルンのファンだったみたい。俺は敵だよ。

ニヤッと笑い、紅茶を飲み干した。

そう。悠弥、有名人なのね。

そうだよ。知らないのは紗江さんだけだよ。




そのとき、エーベルトの妻が来た。


guten Tag