晴れた日に…

サロンが開かれるホテルは私たちの泊まったホテルから車で10分程の所にある。
そこのカフェを半分貸し切り、
いいとこの奥様達が集まる。

メンバーは6人。
日本人は私だけ。
他4人はエーベルトの妻を含むドイツ人。
政治家や銀行の頭取の妻たち。
残りの1人はイギリス人。
彼女の夫も国際弁護士で、私の夫と同じ事務所で働いている。


車二台でホテルに、入り
軽くそんなことを説明した。
悠弥は何にも、物怖じしない。

高いホテルにも。

紗江さん、
エスコートさせて。

そう言ってとびきりの笑顔で手を差し出す。

あぁ、なんで私がこの子に心惹かれてしまったのか、少しわかる。

かわいくて弟のようなとき、
頼れる兄のようなとき、

この子の多面性に奪われた。

最初からそうだった。
逞しくて頼れる大きな男の人と思ってたのに、
実際再開したら、モデルのように線が細いように見えて。

サッカー選手だから、体力があるのかと思ったら、
ビール一杯で眠ってしまう。

そして、抱かれたときは、
やっぱり逞しい男だと実感した。

私は、彼の手を取る。

ありがと。

平凡な主婦だった私にこんな出会いがあるとは思わなかった。