朝、目覚めると裸の悠弥が寝息を立てていた。

時計は6時を指していた。
不思議なもので、目覚ましがなくてもいつもの時間に目が覚める。

私は彼を揺り起こした。

悠弥くん。起きて!!


ん…


彼は眠気眼をこすり、
時計に目をやる。


まだ、6時じゃん…。

私はその言葉に安心した。
正直彼の仕事がよくわからない。
普通の会社員なら彼がここ、ケルンからゲルゼンキルヒェンに行くことを考えると完全に寝坊だ。


悠弥くん、今日の予定は?

休みだよ。
紗江さんほんとに、サッカー知らないんだね。
もう順位も、決まったし、監督がオフくれたんだ。


そう。
でも、私は用事あるからもう帰らなきゃ。

用事って?

くだらない用事。サロンよ。

サロン、それは私と夫が付けた名前だ。
正式名称は エーベルトの会。

なんだそれ。俺より大事な用事なの?
今日も一緒にいられるのに…。

エーベルト夫人が中心の夫人会のことよ。付き合いだし、私エーベルトの奥さんには一言文句いいたいの。

悠弥が驚いた顔をする。

紗江さんでも文句とか言うんだ。なんかなんでも、許してくれそうなイメージだけど。

悠弥に悪気はないのだろうが、
それは、会って二度目に身体を許したからなのだろう。

とにかく、私は文句がいいたいの。
エーベルトの奥さんがあんなんだから旦那があんなんなのよ。


紗江さん、あんなんて、どんなだよ。