7月。
夏と言えば体育祭!!!


「体育祭の係決めるぞ―」


先生が大きな声で言った。
みんなは面倒だ、とか言ってるけど
私はなんだかワクワクする♪


「くじで決めるでいいか―?」

「はーい!!!」

「じゃあ、男子から引いてくれ」


ザワザワザワ…


「俺、リレ―係だぜ~!!!やったぁ―」


そう叫んだのは佐野大貴。

女子にも男子にも人気で凄く元気!!
たまにうるさい時があるけど…

クラスをまとめてくれるしっかり者でもある。


「え~、私綱引き係…佐野くんと同じ係が良かった―仕事やりたくないな」


そんな女子の声が聞こえた。


「綱引き係のところにも手伝いに行くからそんなこと言うなよ―、な?」

「ホントに?じゃあ私頑張る!!!絶対佐野くん手伝い来てね♪」

「おっけい!!」


佐野くん凄いな…


そんなことを思ってると


「優花!!何ボーッとしてんの?くじ引く番だよっ」

「あっ、ごめんごめん」


ゴソゴソゴソ…


「どうだった?」

「えっと…リレ―係!!」

「まじかぁ―、私借り物競争係だった」

「あ―、離れちゃったね…。でも花のところに手伝いとか話しに行くから」

「そうだだね…ちょっと寂しいけどお互い頑張ろ!!私も優花の係のところに手伝い行くね~」

「うんっ♪」




えっと…私は誰と一緒だっけ?

確か……佐野くんがリレ―の係になって喜んでたっけ?

ちょっと佐野くんに聞いてみよっと


「ね―ね―、佐野くんってさぁ!!リレ―係だよね?」

「あっ、うん!!俺リレ―係」

「良かったぁ、私もなんだっ♪よろしくね」

「あぁ、よろしく」


あれっ?佐野くん、なんか顔赤くない?大丈夫かな…

まぁ、佐野くんいつも元気だし気のせいだよねっ


「今から係で集まるんだよね?どこの場所だっけ?」

「えっと…会議室だよ」

「そっか、ありがとう!!!」

「あぁ…」


なんか様子がおかしい。
いつも元気な佐野くんが元気ない…


「ねぇ!!佐野くん今日どうしたの?なんか元気なくない?」

「そ、そんなことないよ!!めっちゃ元気っ☆」

佐野くんはそう言うと片手を前に付きだしピースした

なんだ、普段の佐野くんじゃん


「良かった!!!佐野くんはそうでなくっちゃね!!!」

「おぅ!!ありがとな…優花」

「うんっ!!!さて、元気な佐野くんが戻ったところで会議室行きますか!!!って会議室どこ―?」

「俺も、知らね―!!!!」

「え―っ、ちょっとヤバくない?もう係の集まり始まっちゃうよ~」

「よし、学校中走って探すぞっ」

「うんっ、そうしよ!!!」


ハァハァハァ…


「やっと…ハァハァ、見つけた…ハァ」

「よし、入るぞ」


絶対、しーんってしてるって―


ガラガラガラ…


ドアを開けたとたん皆が私達を見た。
わぁ…最悪だし恥ずかしい~


「おいっ、おまえらおせえぞ」

先生の声にビクっとした

「す、すみません…」

「まぁ、いい。早く座れ」

「はい…」


ハァ―…。

ため息をついてると後ろから肩を叩かれた。


「へっ?」

びっくりしてまぬけな声が出てしまった

「ぷっ、何だよ。へ?って」


そこに居たのは涼介だった…