「―――――みんな、ニュース。ニュース。大ニュースだって!」

クラスでも目立つ、噂話が好きな男子が
ドタバタとドアを開けるなりそう叫んだ。


クラスの中で最も煩いであろう
その男子の声はいくら読書に集中して自分の世界にいようが関係なく、
耳に入ってくる。


煩すぎる。
僕にとって、そいつが言っている“大ニュース”なんかよりも、
今、現在読んでいた小説の方が何よりも大事なのだ。


だから、僕はその時そいつが言ったことを、
この教室で、ただ……ただ一人聞いていなかった。




「来週―――――――――――……。」