紙ひこうき〜センセとのドキドキ同居生活〜

大体私が帰って来ないというのを萌絵も知ってたのだろう、男子と先に食べてるなら午後サボっちゃおーっと。


立ち入り禁止のロープを乗り越え、屋上への階段を駆け上がり、扉をヘアピンでこじ開ける。

がっこの扉なんてチョロイもんだ。

バンっと扉を開けると爽やかな五月の風が舞い込む。

「んー、気持ちぃー‼︎」

ここなら誰にも邪魔されずに気持ち良く食事が出来る。

あんな好奇心の塊のような男子と食事なんてごめんだ。


私が一歩、屋上に踏み出したその時…。


パシッ


「ここ、立ち入り禁止なんだけどなー。」


「またセンセかよ…」


眼鏡をかけた担任教師がわざとかっと思う程の全開スマイルでそこに立っていた。