周りからすれば、ただの一時の暇つぶしみたいなもので、時間が経てば解決することだったのかもしれない。


だけど、私は同じく私の事をひーちゃん、と呼ぶママにその頃、酷く当たり散らした。

ひーちゃん、ご飯よ

ひーちゃん、どうして学校行かないの?
お友達と喧嘩したの?

…うるさい、ひーちゃん、ひーちゃん、ひーちゃん…皆うるさいっ!

ひーちゃんはキモくてつまんないやつなの、ひーちゃんなんて呼ぶなっ!!

窓ガラスを割った。
テレビにジュースを掛けた。


ママはシングルマザーで、その上、相談する相手もいなかったのだろう。

段々と、私に怯えるようになった。


5年になってクラス替えをしてからは少しずつ学校に行っていて、6年の頃には私をいじめる奴はいなかった。


だけど、4年の頃についたサボりグセは中々抜けなくて、ちょっと面倒な事があると私はすぐ学校を休んだ。


そんな事をして、中学に上がった。
この頃にはもう完璧に不良みたいになっていた。

そして、中2になる頃、友達…ゲーセンで会った友達から『黒龍』というチームに入らないか誘われていた。


黒龍、世間で言う不良の集団…ボーソーゾク。