淡いピンク色の花びらが
ひらひらと舞い散る中、
着慣れない新鮮な制服を着て
一人空を見上げる。

「…今年こそは頑張ろう」

自分にいいかせるようにポツリと呟き、
長い髪をなびかせながら歩き出す。


「あ!きぃ〜!!!」

思いっきり手振りながら
こっちに近づいてくるこの子は
私の大切な心友である、架菜(カナ)。

中学からの仲で、今では大好きな心友。

誰にでも優しくて、明るくて…
お姉ちゃん的存在の可愛らしい女の子。

私の相談をいつでも聞いてくれるんだよ

そんな架菜が慌てた様子で
私のところに駆け寄る。

「…ハァ…ハァ 、きぃ聞いて!!」

呼吸を落ち着かせてから、
真っ直ぐに私の目を見た。

「あのねっ!…私たち、
一緒のクラスになったよ!!」

え、嘘…

驚き隠しきれない私に
満面の笑みを浮かべながら
「本当っ!!」と力強くいう架菜。

その言葉を聞いた瞬間、
一気に全身の力が抜け、
涙目になりながら
「良かった…かなぁぁぁ」
って、抱き着こうとする私。

それを見てやれやれと笑い
困ったような顔をしながら、
優しく抱き締めてくれる架菜。

「あんた泣きすぎ…」
って、クスクス笑われても
そんなの気にしない。

だって、本当に嬉しかったから。
また、架菜とこうして
毎日話せるようになるなんて
私にとってはとんでもなく
幸せなことだから…