「ん・・・・」




曖昧な返事をして目の前に置かれたパンを見る。



(おっきいな。何カロリーだろ・・・・?
 推定250てとこかな)



席に着き自分の目の前までお皿を運ぶ。




「いただきます」
「はい。どうぞ」




ママは私がパンを口にはこんで食べたのを見届けると自分の部屋に戻って行った。


それとほぼ同時。



パンをすぐに呑み込み、そして三分の二の大きさにちぎり音をたてずに小走りでトイレに向かう。
便器のふたをあけて念のため小さくちぎりトイレに全部ぶち込んだ。
そして、水でふやけたパンを全て流した。





「こんなの食べれるわけない」





私は、流れたことを確認してキッチンに向かい残りの5cmほどのパンを口に含んでお茶で流し込んだ。




(もったいないことした・・・ごめんなさい。神様。柚奈は馬鹿です)




【 木沢 柚奈 】




摂食障害。



拒食少女です。