三週間後の月曜日、この日は隼人と葵が見舞いにやってきた。

「紗弥加こんにちは。またお見舞いに来たよ」

葵が声をかけるが、ところが当の紗弥加からは返事がなく代わりに母親の香織から返事が返ってきた。

「いらっしゃい今日も来てくれたのね。だけどごめんね、今紗弥加寝ているのよ」

「そうですか。ではまた出直します」

葵の声と共に帰ろうとする二人であったが、それを引き留める香織。

「待って。少し話さない？」

「分かりました。どこ行きます？」

そう尋ねたのは隼人の声だった。

「一階にカフェがあったでしょ？　そこに行きましょうか」

「分かりました、ではそこに行きましょう。葵もそこでいいよな」

「もちろんいいわ」

その後カフェに着いた三人はそれぞれコーヒーを注文すると、葵が紗弥加の病状を尋ねる。

「それでおばさん。紗弥加の病状はどうなんですか？」

その問いかけに俯いてしまう香織。

「あの子ね、あまりよく無いらしいのよ」

「どういうことですかそれ。今まで元気そうだったのに」

隼人が驚きの表情とともに尋ねると、悲しみの表情で続ける香織。

「あなたたちの前では無理しているようなのよ。このあたしにさえそんなそぶりを見せないもの」