案の定、重い沈黙が続く…

「えっえっと裕貴さんは美容師なんですよね?」 

「あっとえっ?はっはい」

「裕貴さんは自分で髪を染めたんですか?」

裕貴さんは性格とは似合わずの金髪で、なんだか意外な感じがした。

「あー、地毛なんですよね」

苦い顔で笑いながら言う。

「そっそうなんですか」

「はい…」

なんか聞いちゃいけなかったのかな?
てことは裕貴さんはハーフとかなのかなー?
確かにさっきは顔とか全然見てなかったけどハーフぽい顔をしてるし…

「こっ小春さんは、髪が綺麗ですよね」

「えっ?そうですか?」
                        「はい、でもショートの方が似合うと思いますよ」

「そうですかね?」

「絶対ショートがいいですよ、そうだ!今度アレンジさせてください!」
裕貴さんが笑顔で言う。
こんなふうに笑うんだぁ

「裕貴さんなんか楽しそうですね!」

「すっすいません」

「いいえ!今度、裕貴さんのお店行きますね!」

「あっはい」

裕貴さんは照れ臭そうに笑った。

「あっ裕貴さん、ここまでで大丈夫です!」

「えっ?家まで送りますよ?」

「いえ、家そこなんですよ」
そういって、自分の家を指差す。
「あっじゃあ…」

「今日はありがとうございました!」

「いっいえ…じゃあおやすみなさい」

「はい!おやすみなさい!」