好きだよ。〜好きな女はあいつの彼女〜

『からすか。』


























タイミングがいいのか悪いのか










その一羽













俺の鏡のように、ひとりぼっちで飛んでいた。




























「…裕樹、なんでカラスが黒いか知ってる?」





















『しらね、』






















「…カラスはね、みんなのさみしい気持ちを

たべちゃうんだって。」




















『……うん。』













「みんなのさみしい気持ちを食べるから
体が黒くなっちゃうんだって」

















「やさしーんだよ、ほんとは。」



















「なのに、みんなカラスを悪い者扱いするよ」












「……そんなの、かわいそーだよ。


















あたしは、カラス嫌いじゃない。











ゴミあさってぐちゃぐちゃってするけど











さみーしーんだよ?ほんとは。」












なぁ、由梨。
















カラスは、さみしいのかな。


















俺は、さみしーのかな。




















…ちがう。












俺はね、お前さえいればどーってことない。

















だから、この黒い羽広げて待ってっから。




















いつでもさみしーの、食ってやるから



















だからさ、言わせて。


















これで最後にするから。



















『……なぁ、由梨っ。』

































「ん?」


































『………ありがとう、』






























































…好きだよ。




ー終わりー