彼女は、満足そうにうなづいてから、
「これから、王宮にむかいます。」
「はい。本当に間に合ってよかったです。」
「水の民にも、心配をかけた・・・。」
その スーラと呼ばれた男を、
明るい下で見たら、
人間ではなさそうな大きな尖った耳に
後ろに流れる髪の毛の間ににょっきり生えた角。
瞳も真っ黒で
顔立ちはしっかりしててミステリアスな、美青年。といったとこか。
僕は、
水の守護師の彼女に言われたように、
ぼろが出ないように、
言葉をしゃべらないようにしようっと。
ふと、スーラというやつと目が合った。
まぁ、無視するのもアレだし、見つめて
にこり、とほほ笑んだ。
スーラはびっくりしたように
一歩 下がって、
片膝をついた「お・・恐れ多いです。申し訳ありません。」
焦ったように、真っ赤になる。
それを見て、
守護師の彼女は苦笑した。
「・・スーラ。
彼女は、水の巫女だぞ?
気まぐれだから、あまり本気にとらえるんじゃないよ?」
「はい。大丈夫です。恐れながら・・・恐縮でございます。」
スーラはそういって、両手を大きく広げた。
ぶわっと優しい風が吹いて、
スーラの黒いマントがふわりとなびいて真っ黒な羽がぶわっと散らばった。