案の定、
何処かわからないように
目隠しされて
ぽい、と車を下されたら
山の参道入り口。
うん?
山登り?
「アサヒ君。
慣れない靴でちょっと大変なんだけど。」
「はぁ。」
ニノさんは、
整備された参道ではなく、そこから
少し外れた道なき道をずんずん進む。
黒スーツでかっちりジャケットのボタンを閉めたニノさんと
着なれないジャケットと、靴の僕は、
この場面には
本当に、違和感。
しばらく歩くと、
ふわぁっと視界が開けた。
「ここから行くので、ついてきてくださいね。」
「あの、ニノさん・・・」
「はい。アサヒ君 足元気を付けて」
「気を付けてって言うか・・・
なんっすか、ここ」
「うぅーん。
正式名称は、言えないんだけど・・」
「いや、そういうことじゃなくて。」
目の前に広がるのは、
大きな池。
ニノさんは その池の端に立って
池の中に入ろうとしている。
「あぁ、大丈夫ですよ。ほら?」
よく見て、と
ニノさんに促されて
指差された『水面』を見てみる。
ぼやん。と、一瞬 視界が揺れる。「ね?」
「いや、いやいや、ね?と言われても!
だ、大丈夫なんでしょうね?」
「大丈夫ですよ。」
という、ニノさんに続いて、恐る恐る
池の中に足を踏み入れてた。
・・・
不思議だ。
そこは水なのに、「濡れない」し、軽い坂道になっている。
水の中を歩いているような感覚。
「水族館みたいだなー」
「アサヒ君、不敬ですよ。」
ふけい?一瞬、意味が解らなくて、
戸惑うと、ニノさんは軽く説明を付ける。
この空間を保っているお方は、
ものすごい 力の持ち主で、招かれないと、
この道は開かない らしい。
そうですか。
もう、なんか、
ぼく、不安しか感じない。
何度目かの
ため息をそっとかみ殺した。
マジで、特別手当を弾んでもらおう。


