つまりだ。
この空間にいるのは
僕と、この不思議な巫女さん。
あとは、廊下に控えているとはいえ、
なんか、
この部屋のふすまと
この畳間には
ものすごい、隔たりがあるというか・・・
「・・・気を、楽に。」
「・・・はぁ。」
楽にと言われても・・・
「あの、」
と、口を開けば、
コホン。と後ろの正座黒スーツが咳払い。
なんだよ。
こっちからしゃべりかけちゃダメなのかよ。
「・・・よい。」
彼女は
すっと手を挙げる。
ちらりと後ろを見ると、
黒スーツと
巫女装束の女性たちが、「はっ」なんて言いながら
深々と頭を下げた。
・・・時代錯誤。
え?
なに、この子。
お姫様か何か?
まぁ、心の中で姫と呼ばせてもらおう。
そんなことをぼーっと思いながら、
姫は、すっと右手を上にかざす。
「?」何をするつもりなんだろう。
ボヤっとかざしたての上に
球体上の黒いもやもやっとしたモノが集まる。
「・・・」
だから、あれは、なんだろう?
「くす。やはり、見えるのだな?」
「え?・・・えぇ。」
見えるって言っちゃっていいのかな?
「心配せずとも好い。
これは、己の『気』を巡らせて・・・
そうだなぁ、『陰陽師』とかわかるか?」
「あぁ、小説や映画とかでは・・・」
「ふむ。そのような者たちが使う、式神。
使い魔になったり、
そのまま、相手に投げつけて攻撃したりとか・・・
まぁ、いろいろ使えるものだ。」
彼女は、ふわっと 優しく笑うと、
手のひらの黒い球体を 鳥の形にしたり、三角にしたり
ウサギにしたりした。
あぁ、ウサギ。
そういえば、水の守護師の彼女も
似たような黒ウサギを『使って』たな。
あれも、そういうものかな?
なんて、のんびり どんどん変わる形を 眺めていた。


