ルラは珍しく
真剣な顔で僕をじっと見つめる。
「あのね、
アサヒ。この世界では『名前』は大事なの。
すべての魔法は、名前との契約。
えぇとね、「ルラの名のもとに、風よ。集まれ」みたいな。」
あぁ、なるほど。
「だからね。アサヒ。
不用心に他人に名前を教えないし、
聞いても 絶対言っちゃダメ。
だって、勝手に使役契約とかされちゃったり
力を奪われたりするし。」
そ、そうなのか。
風の守護師は、にっこりと笑う。
「だからね、僕らのような一族をまとめる長には
名前がないんだ。『守護師』という役職でしか
呼ばれないんだよ。
だって、
誰かに力を奪われたり、操られたら大変だろ?」
なるほど。
「でも、ルラ。
ルラとか、ライガって・・」
「あぁ、私たちは大丈夫。
だって、
ねぇ、強いもの。」
ふふふ。と風の守護師が
ちょっと困ったように笑った。
つ、つよいと名前を呼ばれても大丈夫なのか?


