宰相は、ふっと笑って
僕にすっと右手を出してきた。
「お手を。巫女。」
・・・えー。
そんな、色気のある声でささやかれても、
王宮とか、行くのいやだな。
ばしっ。
間髪入れず、手をはじいたのは
風の守護師の杖だった。
「あのね、宰相さん。
僕を挟んで、口説かないでね。」
風の守護師が呆れたように
ため息交じりに言った。
え?
ってか、口説いてたのかコレ?
ルラが、くすくす笑う。
「宰相ーーさんっ。大丈夫ぅ?
つれてってあげるよぉ。
巫女ちゃんを王宮へ連れて行けばいいんでしょおぉ?」
「・・・ということです。
うちの風の使徒もそう言ってるし。
先に、王宮へ行って王へ報告を。」
にこりと風の守護師が笑顔でまた杖を突き出す。
だから、
それが怖いんだって。
笑顔でそんな、杖を突きつけられたら、
風の守護師の『力』を知ってる奴だったら
ビビるって。
宰相も、少し体をそらしてから、
ちょっと迷ったように「ふー。」と息をはいた。
「では、先に・・・
巫女。」
「はい?」


