まったく意味が分からない僕は、
とりあえずこの水の中から出れないことは分かった。


「あの、ぞく、ってなに?」

「はい。私は魔族の魔女一族です。
 水の属性です。『水の巫女』を呼び出すという勤めがございます。」

・・・・
・・・・・・やばいのきた。


なに。
この子。

一瞬 不思議ちゃんなのかと思ったが
この状況では なんだか真実味を帯びてくる。



「あのぁ。僕・・・人間・・族 でいいのかな?
 高校生・・・。」

「え?人間???
 えぇぇえ??ほんとに?人間??」


思った以上に 彼女は驚いてざざっと 後ずさる。


「な・・なにか、その、能力がおありで?」

「能力って何?
 普通に、理科と音楽が・・・あ、ギターならちょっと弾けるよ?」

といったら、
彼女は、がっくりと肩を落とした。



「私・・・私・・・・本当に、落ちこぼれなんだ・・・」

何やら自虐的なことを言いながら
しょんぼりと座り込んだ彼女。
大きな瞳がうっすらとにじむ。

なんだよ!僕が泣かしたみたいじゃないか。。。。