水の守護師は
ふと、何かに気が付いたかのように
ぎゅっと
杖をつかんだ。
そして左手をすっと
上にあげる。
ぼやーっとした青黒い靄が集まって
ウサギの形を保つ。
「・・守護師様。
そろそろ、森ですので
あの、ひずみの 靄が・・・」
「わかっている。
スーラ、少しとまれ。」
「はい。」
なんだ?
急にスーラが空中でとまる。
森の少し先に
ぼんやり
赤い霧?がかかっているのがわかる。
「なぁ、水の守護師。
あれ・・・」
「はい。そうです。
あれがひずみの靄。
吸い込まないようにしてください。
吸い込んだら、毒にやられますよ」
水の守護師の手から黒ウサギがびゅっと飛び出して
スーラの周りをぴょんぴょん駆け回る。
走るたびに
水しぶきが上がる。
「いけ。」
静かに告げると、ウサギは
森の奥の靄に向かって駆け出した。
「行きましょう。『巫女』。」
水の巫女に手を握られて、
スーラの背中から降りる。
え?おり、降りる?!!
「おち、おち・・・ないね。」
「くす。
えぇ、今、道を作りましたから。」
あっさりと、笑って彼女は告げる。


