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コンコン

「風の守護師さま。
 お客様が お見えでございます。」


扉の外から聞こえる声に
読んでいた本からふとめをそらして、
しおりを挟む。


「うん?
 こんな夜更けにか?」

めんどくさそうに
風に守護師は 扉をすこし開ける。



守護師よりは少し大きめ 10歳くらいの少女が
静かに立っていた。



「風の守護師さま。王宮からの使いでございます。
 すぐに、来てほしいとのことですが・・・
 いかが なさいますか?」

「王宮?」




あぁ。『使った』のか。


「わかった。」

それだけ風の守護師が伝えると、
彼女が深々と頭を下げた。

「しーちゃん。しーちゃん。行くよ。」

椅子に掛けてあった緑のローブと杖をギュッと握りしめた。