その夜、ちほから連絡がきた。
成田君に全て話したらしい。
「成田君、何て?」
「うん、凄く怒られた…。なんで、ちゃんと言わないかなって…。」
「やっぱりね…。」
成田君は、なんとなく神谷さんに似ているところがある。
多分、誠実なひとなんだろうな。
「妊娠してるかどうかじゃなくて、あたしが一人で何でも抱えこんじゃうから…。怒られた。」
成田君は、ちほとそういう関係になったときから、もしもの時は責任をとると、ちゃんと考えながら付き合ってきた、とも言っていたんだって。
「あたしっ、成田君の重荷になりたくなかっただけなんだけど…。間違ってたみたい…。」
「うんっ。そうかもしれないね…。でもさっ、今回のこと…お互いには良かったのかもね。キモチって言葉にしないと見えないこともあるってわかったでしょ?」
「うん…って、留里随分偉そうに言うねっ。」
「ハハッ。でも、ちほが元気になって本当に嬉しいよっ。」
「留里…留里がいなかったら、あたし誰にも相談も出来ないで、途方にくれてたと思う。持つべきは友!ありがとねっ!」
あたしと、ちほの親友関係は、この先何があっても続いてゆくと、この時あたしたちは確信した。

