一時間くらい過ぎた…。
まだかな?
時間が凄く長く感じた。
ずっと心臓がドキドキしてる。
…あっ、ちほっ。
ちほが、病院から出て、通りを渡ろうとしていた。
あたしも、席をたち会計を済ませて外へ出た。
「ちほっ…。」
答えは、ちほの笑顔にあった。
「心配かけてごめんねっ、留里。…妊娠してなかった…。」
「生理は…?」
「多分ストレスでサイクルが狂ったんじゃないかって…。あたしっ、最近無理して勉強ばかりしてたしねっ。」
「ちほっ…。良かったっ。」
良かったのか悪かったのかはわからないけど…。
今のちほにとっては、良かったってことだよね。
あたしが同じ立場でも、そう思うだろうな…。
つまり、あたしたちはまだ、子どもなんだよね。母親になるには、犠牲にしなきゃイケナイことが多すぎるから…。

