………………進路希望は、就職で提出した。
神谷さんにもそのうち話しなきゃ…。
実は、あたしの高校はかなりの進学高。
だから、殆どが大学などに進学するんだっ。
何日かしたあと、神谷さんが、帰りに会いにきてくれた。
店で会うのは危険だから最近は家のほうに遅い時間に来ることが多い。
「お帰りなさいっ。神谷さんっ。」
「ただいま…留里、今日学校で担任が言っていたけど、就職希望なんだって?」
あ…。そっちから話聞いちゃったんだ…。
「うん。お父さんたちには一応話したんだけど…。実はあたし。ずっと前からお母さんの店でキチンと働きたいって思ってたんだ。あたしは、お母さんみたいな店を持つのが夢なの。」
「そっか……。先生たち留里成績いいから残念だって言ってたよ。本当にそれで良いのか?」
「あたし、自分で決めたんだ。確かに大学行ってからでも遅くないかもしれないけど、こんな近くに夢があるのに、わざわざ四年間も遠回りしたくないんだっ。」
あたしは、自分の決意を強く話した。

