あたしたちが来たのは、なんていうのかな?ひなびた温泉?

凄く古いけど、清潔感があって、お部屋も広い。

そしてっ、料理も素晴らしいっ。

まずはお風呂っ。
温泉きたら沢山入らなきゃねっ。
美肌効果あるらしいよっ。

チャポンっ…。

「お母さんとお風呂なんて久し振りだねっ。」

大浴場は思ったより空いていた。

「そうね~っ。留里も、すっかり大人になっちゃったわね…。」

何だかシンミリ言うお母さん…。

「お母さんっ、いつもありがとう。」

普段言えない言葉を口にしてみたくなった…。

「フフッ。留里にそんなこと言われるとくずぐったいわっ。ところで…留里?神谷君とエッチしたの?」

やっぱりっ、お母さんはお母さんだった…。
「してない…っ」

答えるあたしも、どうかと思うけど。


「やっぱり?邪魔だってわかってたんだけど、温泉来たくて、悪かったわねっ。」

そうですか…。

「お母さんは、なんであたしと神谷さんのお付き合いに反対しないの?」
前から聞いてみたかったんだっ。