「あっ、はい。良いですよ。留里ちゃん行こうか?」

え~っ、良いのかな?

送ってもらえるのは嬉しいけどな…。

チナツちゃんの視線が痛い…。

「神谷クン、話あるンだけど…。」

きたっ。チナツちゃん。

「あたしは、一人で帰れるからだいじょうぶだよっ。」

強がって歩き出したあたしに。

「そんなわけにはいかないよ。チナツさん、話はまた今度でっ。」
神谷さんは、そう言って、あたしに追いついて、頭をポンポンした。

「あっ、うん。またね。」名残おしそうで、悲しそうなチナツちゃん。

そんな姿を見て、とっても切なくなった…。

心配しないで、チナツちゃん。
きっとあたしのことは、妹みたいにしか思ってないよ。きっとこどもだから心配してくれてるンだよね。
あたし、いつになったら大人になれるんだろぅ。身体は大人とかわりないけど、頭ン中はきっとまだまだこどもだよね。
大人になったら、神谷さんへの想いも、これ以上に大きくなるのかなぁ?
なんだか怖いよ…。


しばらく二人で黙って桜の下を歩いた…