「あたしっ、神谷さんの邪魔になりたくないっ…」

うつむいたまま、やっと出た言葉…。


沢山の想いが溢れ出すけれど、言葉のかわりに涙が流れはじめた…。


「だからっ…。あたしたちっ…。」


神谷さんが、あたしの肩を抱いてひきよせた…。


「俺、ずっと考えてたんだっ。まさか自分が留里の行く高校の教師になるなんて思ってなかったから…。ずっとこうしていられると信じてた…。でも、同じ高校の教師と生徒になったから、このままではいられない…。留里が頑張って入学したのに…。留里の将来を俺が潰すことは…できないっ……。」




やっぱりっ…。

そうだよね。

あたしたちはお互い同じことを考えていた。


この気持ちだけで、あたしは生きてゆけるんだろうか…。

神谷さんと別れて……。