「友紀奈ちゃん、おはよう!」

と麻紀が誘いに来た。

嘉雄も一樹も、あれ以来だったが、様子は変わりなかった。

「友紀奈ちゃんも元気そうで良かったよ。」

と嘉雄が気の利く言葉を発した。

あの日以来、嘉雄はすっかり自分を取り戻したようだった。

嘉雄自身も気持ちが晴れていた。

もちろん、嘉雄は友紀奈のおかげであることは認識していた。

逆に友紀奈自身の方が、いろいろあって余裕がなかった。

しかし、今日は天気もぽかぽか陽気だったので、友紀奈の今日の気持ちだけは晴れやかだった。