夢というもの。

「受かりました。」




言葉になるかならないかの声で答えた。






「本当ですか!おめでとうございます。
ピアノ科ですか?声楽科ですか?」







「ピアノ科です。」







「本当に‼︎私もピアノ科に合格しましたの。立石咲です。今年の4月からよろしくお願いしますね。」







「藤野麻里愛です。お互いに頑張りましょう。」



「はい、では、ごきげんよう。」






彼女はとても幸せな笑顔を浮かべながらその場をあとにした。