「何している」 「なにも」 なるほど。さっきの男の方は水沢 航だったのか。 「彼女?」 「関係ないだろ」 「うん。ないね」 水沢 航は一切動じず冷めている。 なにか、私と同じものを感じる。 「そういえばお前」 「なに?」 「最近屋上来ないんだな」 え? もしかして歌、聞かれてた? 私は歌っちゃいけない人間なのに 「びっくりしたよ。お前みたいな奴があんな笑って歌うなんてな」 罰が当たったと思った。