最後の命と赤いつる

それから数ヶ月、ゆずは学校に来なかった。先生は体調が悪いの一点張り。

「(なにかあったのかな)」
加藤はさみしそうに思う。

そんな加藤の後ろ姿を悲しげに見ていたのはあきとだった。



「ねぇねぇ、今日病院行く?」
「ゆずも会いたがってるわ」
「なに買ってくー?」

ゆずといつも一緒にいる3人だ。




「……」
「ねぇ今の話聞いた!?」
「聞いた!ゆずやばくない?」
「みんなに言おうよ!」

雰囲気の悪い3人の女子が輪になってコソコソと言っている。



「「ゆずちゃん病院にいるらしいよ」」

クラスの端から端までに聞こえるほどの声で、3人組が言った。

この一言でクラス中がざわめいた。

「病院ってことは入院?」
「サボりじゃねーの」
「でもあの子前元気なかったし」





「病院なんじゃない?」





ガタッと席を立つ音。
「加藤…」
あきとは心配そうに見つめる。
「………」
「好きなんだろ」
「えっ」
「ゆずのこと、好きなんだろ?」
「え…なんで…」
「速く行けよ。それで自分の気持ち伝えてこいよ」
「っ!」
…加藤は下を向いて拳を強く握りしめた。


「行ってくる」

あの時と同じ。胸に手を当てながら走った。


「ここらへんの病院はあそこしかない」
そう自分で頷き走った。