最後の命と赤いつる

ー放課後ー
「加藤」
可愛らしい声で名前を呼ばれた。

「なに」
振り向くとゆずが立っていた。焦る加藤。
「明日日直でしょ。忘れないでね」

「あ、うん」
下を向いてしまう。

「そういえば、先生見なかった?」

「いや、見てない」
「そっか。日誌渡さないといけないんだよなー」

「あ、俺が届けようか」

「えっ、いいの?ありがとう!」

「うん」

「じゃあよろしくね!加藤ばいばい!」

「あっ、じゃあね……」

自分の顔が赤くなっていくのをすぐに感じた。
「(俺は恋をしたのかもしれない)」

速くなる胸に手を当てて走りながら教室を後にした。