「え〜、これで全員揃ったかな。ではそろそろ移動してください」

ハゲが葉山の処理に困ったのかそそくさと教室を去る。

「…西本美優?」

「はい?」

名前を呼ばれて首を回す。

「あ…」

葉山か。

ずいっ、と葉山が顔を近づけてきた。

「ちょ…」

思わず後ろに反る。

目がそらせない。

じっと葉山の顔を見つめる。

さっきは気づかなかったけど、よく見てみると目も鼻も唇も整ってる。

「へ〜え」

ニヤリと葉山が笑った。

「な…なんですか?」

「お前だよね?」

「はい?」

「頭良かったのに受験失敗してここ来たって奴。Twitterで有名人になってるけど」

「あ…はい」

最近の情報網は怖い。私の知らないところで私の情報が回されるなんて。

「ふ〜ん。思ってたのより全然可愛い」

…は?