19○○年。



この年に、世間を揺るがす大きな事件が起きた。



何人もの乗客と乗務員を乗せた旅客機が、エンジントラブルの為墜落してしまったのだ。




「おかあさんっ…!」




墜落現場には、泣きじゃくる女の子とそれを宥める母親の姿があった。





「美希…もう泣かないの。」



母親の身体は、無惨にも機体に挟まれている状態で、今にも押し潰されそうな状況だった。



「だって…っ!おかあさんっ…血がっ…血があっ…」



女の子は何がなんだかわからず、ひたすら震えていた。