blue moon

「…好きな奴はいる。」



ボソッと呟いた拓真。



「えっ、マジかっ!?」
「初耳っ!誰誰!?」


康太と絵美里が身をのりだしながら、拓真に詰め寄った。



「……」



それを複雑そうな目で見ている歩美だった。




それを端から見ていた美希は、呑気にも若いって良いなと思っていた。



「でも、拓真君が好きになる子だから、きっととびっきり可愛い子なんだろうねぇ。」



と、美希が言うと。



「……」



拓真は、真剣な目をして美希を見た。




「…鈍。」
「え?」
「何でもねぇよ。」



そう言って、少し不機嫌そうに保健室を出ていった拓真。




「どうしたんだろう、いきなり…」



さすがの康太と絵美里も勘づいた様で、やれやれと言った表情で美希を見ていた。



しかしこんな賑やかな日常が、恐ろしい事件によって壊される事になろうとは、この時誰も想像すらしなかった。