「ここどこ?」

私は真っ暗な場所にぽつんと1人立っていた。

何故自分がこんなところにいるのかなんてわからない。

そんなことを考えていたら人の足音が聞こえてきた。

よく澄まして聞いてみるとどうやら此方へ近づいてきているようだ。

誰かわからない不安と恐怖で体が震え身動きできない状態になってしまった。

背中は冷や汗でびっしょりだ。

コツコツと徐々に此方へ近づいてくる。

するとかなり近づいてきたのだろう。
人影が見えてきた。

ー何故だろう。

今まであった恐怖がふっと消えた。

近づいてくる人の顔なんて見えやしないけど寂しい顔をしていたような気がした。

そして私は無意識にこう言っていた。

「沖田…さん…」