太陽と星 ~君と過ごした最後の夏~

「今日じゃなくても、返事は決まってるけどな。ごめん、用事あるから先帰る」


こんな時ですら、俺の頭の中にはお前の顔しか浮かんでこない・・・。
 

俺はいつの間にか冷めた目で横岡のことを見つめていた。

自分でも感じるくらい冷淡な喋り方をしている。



「待って、一緒に帰ろうよ!私傘持ってくるの忘れたの」



教室を出ようとした俺を後ろから呼び止めた彼女。



「傘なら俺の勝手に使えばいい」



振り向きもせず、ただそう言って駆け足で階段を降りる。


汚れた唇を、何度も・・・何度も手の甲で拭いながら。


急いで校舎を出て、ただ家に向かって走る。

ずぶ濡れになってもどうってことない。