太陽と星 ~君と過ごした最後の夏~



その言葉に返事はなく、下を向いたままの彼女。



「俺は・・・芽悠のこと好きじゃないよ」



咄嗟に、俺の口からこぼれた嘘。


こんなこと・・・言わなければ良かったと酷く後悔するとも知らずに。


「えっ?」と言う声が聞こえた。

けれど彼女はまだ下を向いたまま。



「あいつは・・・親友」



笑って言った俺。

・・・・・よく笑えたな。

何で・・・嘘ついてまで・・・笑ってんだよ・・・。



「本当に・・・?じゃあ・・・」




"じゃあ・・・"何?

何を言おうとしたのか、よく分からない。



俺は下を向いたままの横岡の顔を見ようと顔を近づけると・・・・急に顔を上げた横岡。



・・・・え・・・・?


近づく顔。


訳も分からないまま何か温かいものが自分の唇に触れた。