その言葉に返事はなく、下を向いたままの彼女。
「俺は・・・芽悠のこと好きじゃないよ」
咄嗟に、俺の口からこぼれた嘘。
こんなこと・・・言わなければ良かったと酷く後悔するとも知らずに。
「えっ?」と言う声が聞こえた。
けれど彼女はまだ下を向いたまま。
「あいつは・・・親友」
笑って言った俺。
・・・・・よく笑えたな。
何で・・・嘘ついてまで・・・笑ってんだよ・・・。
「本当に・・・?じゃあ・・・」
"じゃあ・・・"何?
何を言おうとしたのか、よく分からない。
俺は下を向いたままの横岡の顔を見ようと顔を近づけると・・・・急に顔を上げた横岡。
・・・・え・・・・?
近づく顔。
訳も分からないまま何か温かいものが自分の唇に触れた。

