「あ、俺も帰らないと。横岡も帰るよな?」

「う、うん」



だけど・・俺の言葉にも聞く耳を持たないようで。




「用事あるから先に帰るねー!爽太、真奈美送ってあげて。私が心配だから!」




それだけ言って荷物を持つと、小走りで教室を出た芽悠。


・・・何考えてんだアイツ・・・。

俺・・・何か悪いことしたか・・・?



「おいっ・・」



俺は驚いて少し大きめの声で叫んでしまう。




なんで・・・逃げるように帰るんだ?

なんで・・・辛そうに笑ってた・・・?




よく分からないまま自分席まで行き、荷物を手に取る。



横岡はどうしていいのか分からないように、慌てている。



「送ってくよ」



芽悠が気になるけど・・・横岡を放って帰ることはできない。



「え・・?」



驚いた顔をした横岡に、「いいから」と言って笑う。


俺もかなりの、お人好しだな。