「そっか。あ・・・・爽太くん。・・・おつかれ」



横岡はこちらを向くと、そう言って俺に微笑んだ。




「横岡もおつかれ。今日も絵描いてたの?」




俺は何も考えず横岡と話してみる。

芽悠と仲が良いのなら、俺も仲良くするべきだし。


芽悠はいつも横岡のことを可愛いし優しいと褒めていた。


そういえば、最近はあまり聞いていないけど・・・。




「うん。まあ、美術部だから他にすることないんだけどね・・・。アハハ」




よく見てみると、普通に可愛い。

けど・・・横岡の笑顔に、さっきのドキドキを感じることはない。


やっぱり・・・お前にしか反応しないんだよ、俺。




「あ・・・もう下校時間だから私帰るね!」




その時急に、芽悠が慌てた様子で言った。

まだ雨が降ってるのに・・・。

いつもなら先に帰るなんて言い出さない芽悠だから、今日は違和感を感じる。


そこにいた芽悠は今までに見たことがないような作った笑顔で・・・笑ってた。