よく見てみると、スカーフに白い斑点のようなものがついていて、チョークの臭いがした。


黒板消し叩いてたら・・・チョークの粉がスカーフについたのか・・・。



「チョークの粉ならすぐにとれるよ。貸してみろ」



俺は芽悠の胸元についていたスカーフを抜き取り、布と布を擦り合わせる。



「ほら。こーやったらすぐとれる」



少し前に、女子がこうしてスカーフを綺麗にしていたことを思い出したから。


何やってるんだ・・・って思って見ていたことが、こんな時に役に立つとは思ってもいなかったけれど。



綺麗になったスカーフを芽悠に手渡す。


「ありがとう」



そう言って笑った芽悠の笑顔に・・・急にギュッと胸を掴まれたような感覚に陥る。


・・・・そんな可愛い笑顔見せられたら・・・抑えられなくなるだろ・・・。



心臓が・・・・大きな音を立てて鳴っている。