太陽と星 ~君と過ごした最後の夏~

半ば強引にキッチンから連れ出され、ソファに座らされた私。

手を握られるだけでもドキドキするのに。


こんなに気が利いて優しい彼を見飽きる程見てきたのに、いつまで経っても彼は変わることはない。



ずっと優しいままで・・・いつも爽太といると笑顔になれる。


というか、笑顔にさせられる。



彼といると、なぜか笑顔になってしまうんだ。



そういえば・・・急に押しかけた理由・・・は?


結局分からないまま今に至ってしまったけど、今しか聞くとき・・・ないよね。


「ねぇ、爽太」

「何?」


「なんで・・・私の家来たの?びしょびしょで・・・」


「え?いや・・ちょっと・・・な」


「何・・・?"ちょっと"・・・って・・・」


「急に・・なんだよ。問い詰めんなよ」



少し慌てたように言った爽太は、明らかに動揺を隠そうとしているか私のことをチラリとも見ない。


言えない・・・ことなの?