太陽と星 ~君と過ごした最後の夏~

これ・・・ちょっとしょっぱい。


ハッとして目の前の爽太を見るけど、爽太は美味しそうに食べてくれていて・・・。


「こ、これちょっとしょっぱくない?」


私は慌てて言った。

もしかして・・・。


「ううん、俺はこれくらいが好きだよ。美味しいから大丈夫」

「え・・・でも」

「芽悠が作ったのなら何でも美味しい。てか、俺は不味かったら不味いって言うし」


そんなの・・・嘘だ。


絶対不味いって言ったりしないのに。


自分が食べても美味しいとは言い難い味なのに。

塩加減を間違った・・・作ってる時に考え事ばかりしていたからだ。




"芽悠が作ったのなら何でも美味しい"




その言葉が、私の鼓動を速くさせて・・・顔を赤くする。


そこまでして食べなくてもいいのに。



こんなに優しくしないで欲しい。



こんなに優しくされたら・・・益々好きになってしまう。


嫌いになれない。


嫌いに・・・なれるはずがない。